古いiPhoneの使い道を考えていたところ、UTMという仮想化ソフトウェアを使ってLinuxサーバ化できるのではないか?と思いついた。
そこで今回は、UTMを使ってiPhoneをLinuxサーバ化してみた手順をメモしておく。
使用した機器
- iPhone7 128GB (iOS 13.6)
- M1 MacBook Air 16GB 256GB (macOS 12.1 – Monterey)
- バッファロー WiFi 無線LAN ルーター WSR-1166DHPL2/N
0. 必要なものをダウンロードする
以下に必要なモジュールと説明、そのURLをまとめる。
モジュール | 説明 | 取得URL |
---|---|---|
UTM.ipa | 仮想化ソフトウェア | https://github.com/utmapp/UTM/releases |
Debian ARM.utm | ビルド済のVM | https://mac.getutm.app/gallery/debian-10-4-minimal |
sideloadly | アプリをサイドロードするツール | https://sideloadly.io/ |
1. UTMをiPhoneにサイドロードする
まず、ダウンロードしたsideloadlyをインストールする。
つぎに、sideloadlyを使ってiPhoneにUTMをインストールする。

- 左のアイコンのところにUTM.ipaを指定
- iDeviceにiPhoneを指定
- Apple accountに自身のApple IDを指定
→Startを押してしばらく待つとインストールが完了する。
2. ビルド済のVMをUTMが管理するフォルダに格納する
iPhoneをMacに接続して、FinderからDebian ARM.utmをUTMフォルダ配下にコピーする。

3. UTMを起動する
ここからはiPhoneでの操作。
インストールしたUTMを起動すると、すでにDebian ARMというVMが存在しているはず。

4. ネットワークの設定をする
Debian ARMの設定 > Networking > Port Forwarding… の+ボタンから22→22となるようにポートフォワーディングする。

※HTTP(S)サーバを運用する場合は、80, 443ポートもフォワーディングすること。
5. Debianを起動する
UTMからDebian ARMの再生ボタンを押して、Debianを起動する。
しばらく待つと、ログインを求められるのでusername, passwordともにdebianでログインする。
6. sshdを起動する
Debianが起動したら、以下のコマンドでsshdを起動する。
sudo systemctl restart ssh
7. MacからSSH接続する
まず、iPhoneに割り当てられているIPアドレスを調べる。
iPhoneの設定 > Wi-Fi > 接続されているWi-Fiのiマーク > IPアドレス をメモしておく。
Macのターミナルから、以下のコマンドでSSH接続する。
※MacとiPhoneが同一LAN内に属していること。
ssh debian@192.168.XX.YY
完
おわりに
Linuxサーバが立ったからなんだという話ではある。
Linuxサーバ上で、Dockerで色々してみたい人は以下の記事が参考になりそう。
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